「宙を翔ける」曲紹介 その3『アドゥブン ソルワル』

ソロ公演の演目紹介も後半へ突入です。

メインアイテム「ヴァルナム」のあとは、ちょっとしたブレイク。

3曲目の「パダム」という種類の曲は、肩の力をぬいて気楽にみていただける演目です。
(もちろんそれ以外の演目もリラックスしてお楽しみください)

「パダム」というのは、演劇のようにちょっとした小話を演じるアイテムです。


今回のパダム「アドゥブン ソルワル」は、ヴァルナムで取り上げられたムルガン神の妻が主人公のお話。
ムルガン神は一転して立場が悪くなってしまいます。


事の発端はムルガン神の浮気。

「あなたの夫ムルガン神の浮気相手が、調子に乗ってあれこれ吹聴しているわよ」
と知人が忠告に来ます。
でもそれは、人の噂にありがちなおもしろ半分。

ムルガンの妻は、凛として気高くふるまいます。
「確かに彼女の行いは度が過ぎているわ。
でも悪いのは彼女ではなく、私の夫ムルガンよ。
ほうっておいてちょうだい。」


でも、内心では彼女のことが気にかかっている妻。

「彼女はいつもみじめななりをしていたのに、今ではどうでしょう。
私の家の隣に3階建ての家を建てて、美しいベッドをあつらえ、
高価なサリーを身にまとって、召使いまで抱える身なのよ。」

「以前はお金もなくネックレスの一つさえつけられなかったのに、
今ではジュエリーをじゃらじゃらとつけ、牛を飼って絞りたてのミルクまで飲んでいるらしいわ。」

「でも彼女の過ちは何?もうほうっておいてちょうだい」


この「アドゥブン ソルワル」は新曲。
内心では様々な思いが渦巻いてフツフツしているのに、それを隠して気丈にふるまう。
そんな心の内をどう表現できるかなぁと思っています。

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「宙を翔ける」曲紹介 その2『ヴァルナム』

公演の演目紹介、2曲目はメインアイテム「ヴァルナム」です。

ヴァルナムの最大の特徴は、やはり30分を超えるアイテムだということでしょうか。
今回の公演では約38分のものをお届けします。

観る方にも根気と体力がいるかなと気になる曲ではありますが、ヴァルナムが好きだという感想もよくいただきます。

ヴァルナムでは、
型の中でリズムを刻む身体表現ヌリッタ)と
身振り手振りで神話を語る感情表現(ヌリッティヤ/アビナヤ)
が交互に織りなされます。

時に軽快に、時にしっとりと。
緩急があって、寄せては返す波のように踊り手も観客も巻き込まれていくのかもしれません。


さて、今回はチラシにもあるムルガン神のヴァルナムをお送りします。

ムルガン神は南インドで愛される神様で、6つの顔を持ち、孔雀に乗って宇宙を翔けめぐります。


今回おもしろいのは、ムルガン神が好きな女性に求婚するエピソード。
そのままの姿では近づかず、狩人に化けたり老人に姿を変えたりして近づきます。
結果、女性には「私はムルガン神と結婚するって決めてるの」と断られ、象(弟のガネーシャ)を呼び寄せて脅したりします。

それなら初めからムルガンの姿で近づけばよかったのに!と思いますが、これは他の神話のパロディーなんだとか。


何はともあれ、インドの懐の深さやヒンドゥーの神様の人間臭さを感じられて、ほくそ笑んでしまいます。

そして汚れ役が好きな私は、じいさんを演じるのが楽しい。



それからこのヴァルナムはリズムが複雑な部分が多くてドキドキします(他のどれも複雑で楽しいけれど)。
特にアビナヤ(感情表現)の締めくくりにあたるタッテミットゥ(上半身で神話を語り、足ではステップを刻む)が多種多様。

でも、よくどうやって踊りを覚えるの?と聞かれますが、
くり返し練習したり頭で唱えたりして体に刻みこむ、ということプラス、音楽として覚えているみたいで、
例えば久々に踊る曲でもリズムは自然とよみがえってきます。
でも気を抜かずにやらないとー。


このヴァルナムは10年前に日本で初めてソロ公演をしたときにも踊ったもの。
その後グループでも何回か踊っているので、古くから見てくださっている方はわかるかもしれません。

久しぶりに踊ったときは、こんなに大変だったっけ?と足ががくがくしましたが、だいぶ馴染んできました。
公演まで踊りこんでいきます。


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「宙を翔ける」曲紹介 その1『プシュパンジャリ』

公演のご予約を続々といただいて、とても嬉しく、そして気が引き締まる思いでいます。
みなさま、ありがとうございます。


今度のソロ公演をよりお楽しみいただくために、演目をひとつずつ紹介していこうと思います。
専門的なことというよりは、私の個人的なおしゃべり程度のものですが。


1曲目は、献花の舞「プシュパンジャリ」。
舞台の始めに踊られ、舞台の成功と無事を祈って神々にお花を捧げます。

私にとっては初めてお客様と顔を合わせる瞬間。
過去をふり返ってみても、緊張していたり落ち着いていたり感激していたりと内面はいろいろで、いま想像しただけでも胸のあたりがもわっと武者震いをしますが、
お花を捧げ、祈ることで、何か大きなものに見守られているのだと心を強くすることができます。


今回のプシュパンジャリはアーラビという旋律のもの。
「ジェーンジェンタナナ♪」という繰り返しが明るい曲調で、
私も習う前からワクワクしながら見ていた曲です。

5分程度の曲ですが、いろいろな要素がギュッと散りばめられていて、短くは感じないかも。

ガネーシャ神という象の頭を持つ神様を讃え、長い鼻や大きな耳を表す動きも織り込まれていますが、伝わるかなぁ。


では、次回2曲目に続きます。

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ごあいさつ

虫の声や空の色に季節のうつろいを感じる頃となりました。いかがお過ごしでしょうか。

私事ですが、インドで初めてソロ公演をして10年が経ちました。微力ながらもここまで楽しく踊り続けてこられたのは、心を寄せてくださるみなさまのおかげと、深く感謝しています。

10年の節目に、今までたくさんの宝を与えてくれた座・高円寺にて、6度目のソロ公演を行います。

今回は、孔雀に乗って宇宙を翔けるムルガン神にちなみ、私自身も舞台でよりいっそう羽ばたきたいと、「宙(そら)を翔ける」と題しました。
新曲を2曲加え、難易度の高い曲にも挑戦します。
みなさまにお楽しみいただけると幸いです。

気まぐれな陽気が続きます。どうぞご自愛下さい。
2017年晩夏
堀 友紀子


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ちらしができました

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10月6日、ソロ公演のチラシができました(だいぶ前に💦)


デザイナーの吉田レイコちゃん(dAf design)が、とっても心を込めて作ってくれました。
手に取る人が楽しいように、インド舞踊に興味を持ってくれるように。

そして私の中でぐつぐつしているものも形にしてくれました。


「ひたむきに」と書かれて気はずかしさも感じているけれど、傍目にはこれを「ひたむき」というのかしら、などとふと思ったりしています。


これからチラシがどんどん羽ばたいていきます。

周りの人に配れるよ、このお店に置いてもらえるよ、という方もお声をかけていただけると有難いです。


チケットの販売もスタート、ご予約も承っておりますm(_ _)m
yukiyamini@gmail.com

10月ソロ公演

今年はソロ公演をしたいなあ、できるかなぁと思っていましたが、願いが通じたようです。

2017年10月6日(金)夜 座高円寺にて


まだ春も夏も来ていないのに秋の話・・

春のやわらかさと夏の活気。
季節をふたつ越えてどんな日が迎えられるか、心を研ぎ澄まして進んでいきたいと思います。

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ライブ“Peace Flag”に寄せて

福島市と南相馬市で元気に踊ってきました。
どこへ行っても温かく迎えていただいて、時にせかせかと動きつつも 日だまりでまどろむかのようなぬくもりに包まれる日々でした。

様々な問題に取り組みながらも、強くやさしく生きる方々。
これからの関わり方についても改めて考えさせられる機会となりました。


さて、Peace Flagについてfacebookにメッセージを・・と頼まれていたため、稚拙ながら思いを言葉にしてみました。
でもせっかくなので、こちらにも載せてみます。


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世の中にあふれる悲しいニュース。それに心を痛めても、自分では何もできない無力さや、当事者に近づけない薄情な自分を痛感することがあります。

東北に関わることをしていても、これが本当に役立つのだろうかと揺れる心があります。
私がやっていることは小さなことで、どれだけ力になっているかもわからない。
むしろいつも力をもらうのはこちらの方。
そんな思いをいつも感じていました。

でも、以前宮城県の石巻に踊りに行ったとき、町中で目にしたのはこんなメッセージでした。
「全国のみなさまありがとう。そのお気持ちはずっと忘れません。私たちはそれを支えにがんばります。」

一人一人の力は小さくても、思いは届いていたのだ。そう感じました。


随分前の話ですが、インドの先生は、踊りの難しさに顔をこわばらせる私たちに、
“Dance is joy. Smile.”
と言われました。そのときから私の心はシンプルに染まりました。

私は踊りが大好きで、とても楽しんでいます。
怒りが怒りを生むように、喜びも伝播していくと思います。
今回のライブで踊る「ティッラーナ」は歓喜の舞。
私が踊ることで誰かの心に花が咲くことを祈りつつ・・・

2015とシンガポール


いよいよ暮れも押し迫ってまいりました。
もう新年がすぐそことは、まだ実感がわきませんが、まぁ本当はいつも時はきちんきちんと刻まれているんでしょうねぇ。

とはいえ、今年はいろいろとあって、「自分十大ニューース!」などしてみたら、5位くらいまではスイスイいきそうです。
師匠や環境、周りの人に恵まれて、楽しく暮らせていることに感謝。


11月にシンガポールで踊ってきたので、少しご報告です。

踊ったのはこんなイベントでした。
シンガポール在住のインドの方々の、ディーパーヴァリというインドのお正月を祝うパーティーに招いていただきました。
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実質2日間の短い滞在でしたが、みなさんにとても歓迎していただき、とても楽しい思いをしてきました。
ドタバタやハチャメチャなど、笑っちゃうようなこともたくさん。
初シンガポールをめいっぱい満喫してきました。


シンガポールの新名所「マリーナベイサンズ」
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マーライオンにも会いました。
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インドのご飯もたくさんふるまっていただきました。サカナー!
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リトル・インディアも飾り付け。
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シンガポール、綺麗でした。
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踊ったのが写真左奥のドームみたいなとこらへん。
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踊った時の写真はないけれど、会場はこんな感じでした。
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最後になりましたが…

みなさま、どうぞ良いお年をお迎えください

 

南相馬「復興あきいち」


明日から福島へ行ってまいります。
有難いことに今年も南相馬市のお祭り「復興あきいち」に呼んでいただき、
11月3日(火・祝)に踊ってきます。

あきいち参加は今年で4度目。
毎年毎年いろいろな思い出があります。

初めの年は原発事故の影響で通行止めの道があって大回りをし、しかも朝渋滞にあって、着いたのはギリギリ終わり間近の時間。木枯らしが吹く中、手足がかじかんで東北の寒さが身にしみました。
初めての南相馬市の様子、いろいろな方から聞く震災のお話に、心に重石がのったような気持ちにもなりました。
でも地元の方々、招いてくださった方々にとてもよくしていただいて、そのあたたかな時間が毎年の楽しみともなっています。

その後、踊るその日に出発することはやめました。
ある年は通行許可証をもらって物々しい雰囲気の中原発の近くの道を通り、死んだような町の様子に胸をしめつけられ言葉を失ったりもしました。


震災からはや4年以上。胸の苦しみは良くも悪くも薄らいでは来たけれど、
でも忘れられないこと、忘れたくないことがたくさんあります。




11月にはもうひとつ、シンガポールで踊るというお話もいただいています。

ヨガのクラスをお休みにさせてもらったり、代講でお願いしたり、ご迷惑もおかけしますが、
存分に踊ってまいります。

まずは南相馬の方々にお楽しみいただけますように。
 

「胡蝶の夢」

いい夢を見させてもらいました。

そろそろ2週間が過ぎようとしています。
ソロ公演「胡蝶の夢」、ご来場下さった皆さま、支えてくださった皆さま、どうもありがとうございました。
至らない点も多々あったと思います。今後に活かせることもたくさんありました。
それでも温かい眼差しで見守ってくださった皆さまのおかげで無事に舞台を終えることができました。


お越しくださった皆さまの思いや、いただいた拍手。
やわらかい温もりが今も心にじんじんと広がっています。

その思いを胸に、これからも一歩一歩前に進んでいきます。
今後もどうぞよろしくお願いします。

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