祖母の年賀状
もうすぐ90になる祖母。
年が明けてから「これ出してきて」と年賀状を私に手渡した。
『今年も生き永らえ 新年を迎えることができました
お手を煩わすこともあると存じますがよろしく~~』
というような文面が印刷されていた。
ポストに行きながらふと、祖母はちゃんと実際に新年を迎えてから
これを出したかったのかなぁと思った。
深読みしすぎだろうなと思いつつ、なんだか胸がギュッとなった。
年をとればとるほど 死は身近なものになるのだろうか。
死はやっぱり こわいのだろうか。
まわりの人を失うたび どんな風に思うのだろうか。
私は、キホン風まかせではあるけれど、
いつ死んでも後悔しないように生きているつもり。
だけど、明日まで、1ヶ月後、1年後と知らされたら間違いなく動揺すると思う。
祖母はそういうことを考えるのだろうか。
世の中にはいろんな考えが溢れているけど、どう生きるか 答えなんてない。
自分に正直に生きたい、引き続き。
余談。
祖父が認知症になって体も弱ってしまったとき、
私の叔母は、『最後のお正月を迎えました』という年賀状を印刷しようとしました。
もちろんまわりにとめられましたが。
潔いというかなんというか大うけ。 祖父はそれから3年近く生きました。